神経系②~神経系は何を如何にして伝達するのか?~
神経系についての考察第二弾、神経系は何をどのように伝えていくのでしょうか?
神経系は情報を連絡するケーブルのようなもので、体中に張り巡らされていて、
ネットワークを形成しています。
情報を伝達するのはニューロンという神経組織最小単位の神経細胞です。
ニューロンの形態ですが、樹状突起という木の枝のような突起がいくつもあり、
他のニューロンと接点を持っています。
その接点の部分がシナプスといい、そのシナプスを通じて次のニューロンへと情報が
伝達されていく訳です。このニューロンが集まり束になり電気コードのようになったものが
我々が言う神経ということになります。
神経が伝えるのは情報です。例えば音や光、痛みや圧迫、衝撃・・・etc、外部からの
刺激を受けた時に耳や目、皮膚などの感覚器がこれらの情報を捉え、微弱電流を発生させ
ます(=ナトリウムイオン)。これが情報信号となりニューロンのケーブル(=軸索)を
通り抜け、また次のニューロンへと伝わっていき、最終的には中枢神経へと送られて
いくのです。
ところでニューロンとニューロンの接点であるシナプスは実は直接つながっておらず、
わずかな隙間が空いています(約30ナノメートルほど)。
わずかでも隙間があれば、電気信号は伝わりません。そこでシナプスはシナプス小胞
という部位から神経伝達物質を分泌します。この化学物質が隙間に広がっていき、それを
隣接するニューロンの樹上突起がキャッチします。こうして再度電気が発生すると、
また情報が送られていくという訳です。
書いていると複雑な段取りのように見えてしまいますが、実際に情報が伝わる速度は
非常に早く、ニューロンからニューロンへの電気信号伝達速度は毎秒、約120mにも
なります(遅いものだと秒速、約60cmほど)。
この超高速で30ナノメートル(10万分の30ミリ)という狭い隙間を駆け抜けるのですから
いかに瞬時に情報が伝わるのがわかるのではないでしょうか?