セミナー要点メモ(MCC)
6月24日(日)、母校MCCの定期セミナーに参加してきました。講師は高見DC。今年で3年目になるこのセミナー、
今年のテーマはART(アクティブリリース)、ニューラルマニピュレーション、クラニアルです(あくまで、
高見先生の臨床経験といくつかの創意による技術=高見式であり、公式のものではありません)。
今日はARTの3回目でした。
ちなみにARTとは、
『P.Mixhwl Leahy,DCによって開発されたもので、全身に600以上ある筋膜、筋肉、腱などの軟部組織の
障害に焦点を当て、急性と慢性の傷害の両方の結果として起こる徴候のリサーチが基になっています。
筋肉・筋膜の慢性的な繰り返し運動によって起こる傷や癒着などミクロ的なダメージ、硬縮などに対し
筋肉の動きを利用して機能障害・痛みなどを改善するテクニックです。
職業病からの痛み(肘痛、腰痛、肩こりetc…)あるいは、運動選手などに多く発生する痛み・機能障害を
効果的に改善します。
治療は、過剰使用症候群の起きているそれぞれの筋肉の機能を評価することを基本にしています』
とのことです。
こんな感じの技術です。→http://shugitube.blog134.fc2.com/blog-category-9.html
私の撮影したものは諸処の事情によりUP不可のため、「カイロプラクティック・テクニック動画集」からの
抜粋になります。
さて、今回のリリース筋は前脛骨筋、後ろ脛骨筋、長母則趾屈筋、長腓骨筋、短腓骨筋、アキレス腱、足底筋膜、
腸腰筋、大腿筋膜張筋、中臀筋、梨状筋・・・でした。
ともすれば、ARTの実習はカウンターストレイン同様、非常に単調でこなしていくだけになってしまいがち
なので、前半は上記筋肉群に関連する膝関節、股関節治療に関する座学講義を行なっていただけました。
以下、記録のまとめです。
◎なぜ、膝関節、股関節にはモビリゼーションがよいか?
→軟骨を擦り合わせるとコンドロイチンが分泌されてくる。
ただし、膝関節と股関節では構造上の問題から治療法が違う。共通点は動かすという部分だけ(動かし方が違う)。
◎動かす意味
膝関節:軟骨のために動かす。軟骨を擦り合わせることで軟骨芽細胞を刺激する。
→風呂の中でのヒールスライドなどがよい!
→曲げる<伸ばす まんべんなく擦り合わせを行うためには膝裏の関節包を伸ばす必要があるため。
股関節:関節包&靭帯のために動かす。隙間を開けるために動かす(関節液を還流させるため)。
※構造上膝関節はゆるいため硬縮することは殆どない。しかし股関節はカツンとロックしてしまうことが多々ある。
◎変形性への対応
まず動かすこと
→膝関節では軟骨を擦り合わせるため。
→股関節では関節包を動かして隙間を開けるため。
※基本的にどちらも関節液の循環をよくすることにより、軟骨の再生を促すのがその目的である。
◎特に股関節について
膝関節と比べてあまりにもそのメカニズムが違うので要注意!!センターに動脈が通っている(大腿骨頭靭帯内)
ため、急激な引っ張りに対しては縮みやすい。また、同様に関節渦部分のセンターに脂肪パット(滑膜に包まれ
ている)があり無理な圧迫や擦り合わせでペチャンコになりやすい。
→ゆえに緩やかなトラクションと圧迫にて関節軟骨を刺激する!
また、股関節関連筋ビッグスリー(中臀筋・大腿筋膜張筋・梨状筋)と大腿骨頭を引き離す筋群(上下双子筋・
内閉鎖筋ほか)への刺激と調整が不可欠になってくる。
◎股関節の痛み
・股関節の中→変形性股関節症(OA) 疲労骨折、骨頭壊死
・股関節の外→関節唇、滑液包炎、筋の炎症
【見分け方】
・疲労骨折股関節屈曲→内旋&外旋→どの位置でも痛む(恥骨・大腿骨頭部)
・変形性&壊死→大腿骨頭部と膝外側が痛む(特に壊死)・・・・これは同一の骨分節(スクレロトームによる)の反応。
※ちなみに筋分節はミオトーム、皮膚分節はデルマトーム。日本ではデルマトームばかりが優先されている、とのこと。
・関節唇→動かすとピンポイントで痛みが出る。
・滑液包炎&筋炎症→筋力検査(腸腰筋)、その後脱力させ患部を押さえる
①筋炎症の場合・・・・・・筋力検査=陽性 脱力させ患部を押さえる=陰性
②滑液包炎の場合・・・・・筋力検査=陽性 脱力させ患部を押さえる=陽性
以上、あとはARTの実習でした。明日はPALMSフルスパインのセミナーです。しかし、この歳になって何故か
勉強することが楽しくて仕方ありません。
もっと若いうちに勉強しておけば・・・・と今更ながら思ってしまいます。