最近は産湯を使わない???
さてTHS共有ブログですが、今回はたかQカイロプラクティックセンター、高久先生によるものになります。
医療ドラマなどで出産直後の赤ちゃんを産湯につけるため、
「生まれた!!・・・・・スグにお湯をたくさん用意して!」
といった場面や、漫画などでは産湯につけてる場面をよく見ているためか、出産した赤ちゃんは産湯にすぐにつけないといけないような刷り込みがされているのではないかと思ってしまいます。
産湯の目的ですが、生まれたての赤ちゃんは、お母さんのお腹にいたときに羊水内で皮膚に胎脂(たいし)が付いてたり、出産の過程で血液などが付いているため、これらを洗い落として清めるのが目的のようです。
以前は特に感染症予防という目的があったため、感染症予防薬を産湯にいれている時期もあったようです。
それから、ドラマでよくある「ありったけのお湯」は赤ちゃんの体を洗うためだけでなく母体や機材の汚れを洗い流すための目的もあったようです。
ところで、産湯を使わないほうがいい・・・という考え方があります。
出産してスグに産湯を使うと、実は赤ちゃんに様々なマイナスの要因を与えることになる可能性が生じるからです。
1、赤ちゃんを温めることで、エネルギー消費を高めてしまう(体力保存的観点)
2、皮膚を擦ることで皮膚表面を傷めてしまう危険性がある(細菌感染予防的観点)
3、皮膚の保護に重要な胎脂を洗い流してしまう(免疫抗体保存的観点)
4、沐浴後には全身が濡れており、低体温となる危険性がある
特によく考慮しなければならないのは胎脂を洗い流してしまうということです。
胎脂の成分は10%が脂質(分岐脂肪酸コレステロールエステル)、10%が蛋白質、80%が水分になります。
胎脂は白っぽいクリームのような脂肪分で、生まれたての赤ちゃんには胎脂が身体はもちろん頭や顔にもべったり付いて、赤ちゃんの肌が痛まないためのバリア的な役割をしているのです。
胎脂も時間経過とともに減ってくると、外気など様々な刺激によって肌のトラブルが生じやすくなってきます。
肌トラブルは先天的要因もありますが、少なくても胎脂によって生まれたての赤ちゃんの肌トラブルをある程度防ぐことが出来るといわれているのです。
アメリカなどでは出生後に産湯を使わず、血液等の汚れを取るだけのドライテクニックが主流で、これは出生後はなるべく赤ちゃんに手をかけず、自然な状態に保つこと目的としています。
ドライテクニックにしても特に新生児の感染症の発症率が上昇したとの証拠もないそうです。
逆にむしろ、ドライテクニックにして他の要因も含め、発症率が低下してるそうで、産湯を使わないことのほうが赤ちゃんにとって様々な利点があることが解明されてきました。
そのため最近の日本の多くの出産される病院でも産湯を使わないドライテクニックを取り入れているところが増えているそうです。
これから出産をされる予定の方は、担当されるお医者さんに聞いてみることをお勧めします。
今回の文責はたかQカイロプラクティックセンターhttp://takaq-chiro.com/高久和巳先生によるものです。
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