心臓はどんなしくみで動き続けるのか?
人間の心臓は心筋という弾力のある筋肉で出来ています。
で、多くの方がご存知だとは思いますが、その筋肉がギュっと縮むことで血液を送り出す
というしくみになっています。
心臓は意識しなくても、勝手に動き続けています(拍動といいます)が、一体、誰が(何が)
命令しているのでしょう?
実は心臓は誰か(何か)に命令されるのではなく、自ら収縮を起こす刺激を発生させ、
心臓全体へと伝えるシステムを備えているようです。この、神経からの命令なしに収縮運動
を起こす特殊な心筋の集まりを刺激伝導系といいます。心臓の右心房にある洞結節がこれ
にあたります。
洞結節は毎分70回ほどの頻度で収縮し続けるので、ペースメーカーとも呼ばれます。
こ“のペースメーカー”により生じた刺激は房室結節へと送られ、ヒス束、プルキニエ繊維を経て
心臓全体に伝わります。
このしくみがあるため、脳が活動停止しても心臓が拍動し続ける脳死のような状態が生じる
こともあるという訳です。
ところで、全身の組織は心臓から送られてくる血液から酸素や栄養を受け取っていますが、
心臓自体は一体どこからエネルギーを得ているのでしょう?
当然、心臓には血液が大量に流れている訳ですからそこから拝借しているのでは?と普通
なら考えます。が、実際心臓はそこには手をつけておりません。
心臓は冠状動脈という自分専用の血管を持っていて、そこから酸素と血液を得ているのです。
冠状動脈は大動脈から枝分かれして心臓の外側表面を走っている血管です。
心臓の上に被さっている、ということから『冠』の字が当てられたという訳です。
なお、心臓が送り出す血液を最も多く受け取っているのは肝臓(約25%ほど)、次に多い
のは腎臓と筋肉、で、さらにその次に多いのが脳(15%ほど)となります。当初、私は脳や
筋肉群が一番多いのかと思っておりましたので、意外でした(~ω~;)))
心臓自体が冠状動脈より受け取っている血量は全体のおよそ5~7%、過酷な労働の割に
こちらは少なすぎるので、これまた意外ですね!!